配信状態通知 (DSN) メッセージを読み解く方法
シナリオ: 電子メールを送信したか受信したかにかかわらず、バウンス メッセージ (送信されたものの配信されなかったメッセージ) のトラブルシューティングが必要になる場合があります。ここでは、これらのメッセージを解釈する方法をご紹介します。
手順:
手順 1: 解読可能なセクションを読む
次のような DSN を受け取ったと仮定します。
Delivery has failed to these recipients or groups: (次の受信者またはグループへの配信に失敗しました:)
Joe Smith
Your message wasn't delivered due to a permission or security issue.It may have been rejected by a moderator, the address may only accept email from certain senders, or another restriction may be preventing delivery. (アクセス許可またはセキュリティの問題により、メッセージが配信されませんでした。メッセージがモデレーターによって拒否された、メッセージの送信先アドレスが特定の送信者からの電子メールしか受信しないように設定されているなど、何らかの制限によって配信が妨げられている可能性があります。)
The following organization rejected your message: (メッセージは次の組織に拒否されました:) mail.contoso.com
DSN のこのセクションは、発生した問題の概要をわかりやすく説明することを主な目的としています。この例では、Joe 宛てに送信されたメッセージは Office 365 または FOPE ではなく、mail.contoso.com という組織によって拒否されたことがわかります。
おそらく、このエラーの原因は明確なものです。電子メール アドレスを誤って入力したか、受信者が既にその組織にいないことによるものでしょう。多くの場合、このわかりやすいエラー メッセージは、問題解決の役に立ちます。
手順 2: 詳細を確認する
発生した問題をより詳しく確認する必要がある場合、さらに読み進むと、詳細な診断セクションがあります。
管理者向けの診断情報:
生成サーバー: bigfish.com
joepremise@contoso.com
mail.contoso.com #<exchange.contoso.com #5.7.1 smtp;530 5.7.1 Client was not authenticated> #SMTP#
このセクションは最も重要な部分です。この DSN は、bigfish.com (FOPE) が mail.contoso.com に接続しようとしたところ、このサーバーから次のような SMTP エラーが返されたことを意味します。
530 5.7.1 Client was not authenticated
これは、最終的にメッセージを拒否したのは mail.contoso.com であり、問題が発生した原因を把握するには、この組織に問い合わせる必要があることを意味します。
手順 3: SMTP エラー コードを確認する
5xx または 5.x.x エラーは永続的なエラーであり、一時的なエラーとは見なされません。このエラーをインターネットで検索すると有効な情報を得られる場合があります。エラーの内容を確認したところ、インターネットからの匿名の電子メールを受信しないようにリモート メール サーバーが設定されていることがわかりました。通常、これはリモート メール サーバー側の設定ミスです。リモート メール サーバーの管理者に連絡して、この設定を修正してもらう必要があります。
4xx または 4.x.x エラーは一時的なエラーです。これらの問題は通常、リモート側にアクセスできない場合、時間がたてば回復する一時的な問題がリモート側で発生している場合、また、ときには特定のドメインからの電子メールに限り受信の問題が発生している場合 (スパム対策チェックを実行している場合など) に発生します。
- 5.1.1 550 (unknown user) - メッセージの電子メール アカウントが送信先の組織に存在しないことを意味します。したがって、アドレスが正しいことを確認する必要があります。
- 5.0.0 550 SPF MAIL FROM check failed (PermError) - リモート サーバーが送信元のドメインの SPF DNS レコードを確認できなかったことを意味します。nslookup、SPF Wizard、Remote Connectivity Analyzerなどのツールを使用して、Sender Policy Framework (SPF) レコードを確認する必要があります。
- 451 4.1.8 Cannot resolve your domain {mx101}または Sender address rejected: Domain not found - これらのエラーは通常、リモート側が送信元のドメインに対して何らかの検証を実行した結果、検証に合格しなかったことを意味します。この場合、おそらく margiestravel.com の A レコードを追加するとメール サーバーでメッセージの受信が許可されるようになります。ただし、最終的には、リモート側に連絡して、メッセージが拒否される理由を確認することが必要になる場合があります。
手順 4: 元のメッセージ ヘッダーを調べる
多くの場合、DSN メッセージには元のメッセージが含まれています。多数のユーザーがこれらのメッセージをヘルプ デスクに転送するため、元のヘッダーはメッセージの本文に含まれています (通常は、クライアントで設定されていない限り、添付ファイルは転送されません)。
元のメッセージ ヘッダー:
Received:from mail36-tx2-R.bigfish.com (10.9.14.249) by TX2EHSOBE009.bigfish.com (10.9.40.29) with Microsoft SMTP Server id 14.1.225.22; Wed, 3 Aug 2011 15:03:33 +0000
Received: from mail36-tx2 (localhost.localdomain [127.0.0.1]) by mail36-tx2-R.bigfish.com (Postfix) with ESMTP id CD1047E84D3 for <joepremise@contoso.com.FOPE.CONNECTOR.OVERRIDE>; Wed, 3 Aug 2011 15:03:33 +0000 (UTC)
X-SpamScore: -5
X-BigFish: PS-5(zz1861Mc85dhzz1202hzzz2fh2a8h668h839h34h65h)
X-Spam-TCS-SCL: 4:0
X-Forefront-Antispam-Report: CIP:157.55.61.146;KIP:(null);UIP:(null);IPV:SKI;H:CH1PRD0302HT003.namprd03.prod.outlook.com;R:internal;EFV:INT
Received-SPF: pass (mail36-tx2: domain of contoso.onmicrosoft.com designates 157.55.61.146 as permitted sender) client-ip=157.55.61.146; envelope-from=Scott@ contoso.onmicrosoft.com; helo=CH1PRD0302HT003.namprd03.prod.outlook.com ;.outlook.com ;
Received: from mail36-tx2 (localhost.localdomain [127.0.0.1]) by mail36-tx2 (MessageSwitch) id 1312383812531599_7509; Wed, 3 Aug 2011 15:03:32 +0000(UTC)
Received: from TX2EHSMHS046.bigfish.com (unknown [10.9.14.247]) by mail36-tx2.bigfish.com (Postfix) with ESMTP id 7878E15F804B for <joepremise@exchange.contoso.com>; Wed, 3 Aug 2011 15:03:32 +0000 (UTC)
Received: from CH1PRD0302HT003.namprd03.prod.outlook.com (157.55.61.146) by TX2EHSMHS046.bigfish.com (10.9.99.146) with Microsoft SMTP Server (TLS) id 14.1.225.22; Wed, 3 Aug 2011 15:03:31 +0000
Received: from CH1PRD0302MB127.namprd03.prod.outlook.com ([169.254.7.54]) by CH1PRD0302HT003.namprd03.prod.outlook.com ([10.28.28.161]) with mapi id 14.01.0225.063; Wed, 3 Aug 2011 15:03:30 +0000
Content-Type: multipart/mixed;
boundary="_000_B94CB51B8825B84382E64D7B4BE1555533ACCC50CH1PRD0302MB127_"
From: Scott <Scott@contoso.onmicrosoft.com>
To: "Joe Smith" <joesmith@contoso.com>
Subject: Windows Phone is awesome!
他にも、以下のような項目を確認すると役立つ場合があります。
- 宛先のアドレス: アドレスの入力を誤っていないか、またはアドレス自体を間違えていないかを確認するのに役立ちます。
- 受信したヘッダー:メッセージが経由したパス、より具体的に言うと、DSN が生成された最終ホップを確認できます (「生成サーバー」から簡単に確認できない場合に確認します)。DSN は FOPE 内で生成されるため、Microsoft サポートが必要としない場合、この情報はあまり有効ではありません。
- Received-SPF:送信元 IP アドレスによるメッセージの送信が SPFレコードで許可されているかどうかについて、FOPE の判断を確認できます。この値が pass 以外の場合、DNS の SPF レコードを確認する必要があります。
一般的な問題
このシナリオに関連する、役立つサポート技術情報の記事やドキュメントへのリンクをご紹介します。
- 特定のドメインへのメール送信で問題が発生している場合、推奨されているタイプの DNS レコードを使用してメールを送信しているかどうかを確認することをお勧めします。具体的には、ドメインの A レコード (例: @.contoso.com - このレコードは通常、www レコードと同じアドレスを指します)、MX レコード、および送信者として Outlook.com を指定する SPF レコードが推奨されます。詳細については、「Office 365 ドメイン管理」を参照してください。
- 最近 Office 365 にサインアップしたばかりである場合は、使用する MX レコードが contoso-com.mail.eo.outlook.com または contoso-com.mail.protection.outlook.com の形式であることを確認します。適切なエントリを取得するには、ポータルにログインし、[ドメイン] をクリックします。指定されたエントリを使用すること、および複数の DNS レコードを作成したり、別の値を使用したりしないことが重要です。小規模企業のお客様の場合、必要な作業は指示されたとおりにネーム サーバー (NS) レコードを変更することだけです。