Microsoft が新しいバージョンの Office 365 へのサービス アップグレードを実施すると、お客様の組織は Microsoft Forefront Online Protection for Exchange (FOPE) から Microsoft Exchange Online Protection (EOP) にアップグレードされます。ポリシーの移行は、ドメインの設定とユーザーが移行した後に実行されます。ポリシーを移行した後に、FOPE ポリシー ルールが Exchange トランスポート ルールに変更されます。
FOPE ポリシー ルールと Exchange トランスポート ルールを比べると、注意が必要な相違点があります。両者の機能上の違いと、Exchange トランスポート ルールの作成のベスト プラクティスをここで説明します。お客様にとって効率の良いルールを作成する際に有益です。
サービス アップグレードに関する詳細は、Exchange Online および Exchange Online Protection サービスのアップグレード: FOPE 管理センターへのアクセストピックを参照してください。
Exchange トランスポート ルールの制限事項と機能
Exchange 管理センターでの、Exchange トランスポート ルールの制限事項は次のとおりです。
- ルールの数 - ビジネス ルールのコンプライアンスを実装するための Exchange トランスポート ルールは、最大 100 個まで作成することができます。
- ルールのサイズ - ルールのサイズは 4 KB までに制限されます。
- パターン マッチングと正規表現 - FOPE では、ポリシー ルールのパターン マッチングに関して、基本的な正規表現 (Regex) をサポートしています。EOP は、.NET の正規表現エンジンを使用しています。
- パターン マッチングが可能な文字列の長さの最大値 - トランスポート ルールは、パターン マッチングとキーワードに関して、最大 20 KB までの文字列をサポートしています。
- 辞書のサポート - ルールの基準を直接入力する必要があります。辞書のアップロードはサポートされていません。
- 大文字小文字の区別 - Exchange トランスポート ルールでは、アルファベットの大文字小文字を区別します。
- 件名と本文の対応 - トランスポート ルールは、メッセージの件名と本文を対応させる条件の指定をサポートしています。
Exchange 管理センターに移行される FOPE のポリシー ルールについての注意点を次に示します。
- 受信専用に設定されているポリシー フィルターで構成されている FOPE ドメインはすべて、「送信用の Exchange 管理ルールとは区別されたドメイン」という名称の Exchange 管理センターのトランスポート ルールに追加されます。
- ポリシー フィルターが 無効に設定されている FOPE ドメインはすべて、「送信用の Exchange 管理ルールとは区別されたドメイン」または「受信用の Exchange 管理ルールとは区別されたドメイン」 の 2 種類のトランスポート ルールに追加されます。
- FOPE ポリシー ルールのうち、無効になっているもの、期限切れになっているもの、無効なドメインに関連付けられているもののいずれかに該当するものは、トランスポート ルールに移行しません。
注意: FOPE で設定されている条件は Exchange トランスポート ルールの述語に、FOPE のアクションは、Exchange トランスポート ルールのアクションに、それぞれ変換されます。
ポリシー フィルター設定のヒントと、Exchange 管理センターにある、ベスト プラクティスに関する情報
ルールの数を減らすアイデアの例を次に挙げます。
- 特定の日に届く迷惑メールに対応するイベントとして作成したルールを削除する。
- ほとんど利用していないルールと、トリガーが起動されることがほとんどないルールを削除する。移行の期間が短かい場合は、FOPE 管理センターにアクセスして、ルールの使用に関する指標を確認するために、ポリシー フィルターの設定レポートの作成を実行できる可能性があります。詳細は、[[サービス アップグレード後の FOPE 管理センターへのログイン]] トピックを参照してください。
- 多数のキーワードが含まれているルールでは正規表現を利用して、類似したパターンのキーワードをまとめる。