Exchange Online へメールボックスを移行する
Exchange 管理センター (EAC) の移行ダッシュボードを使用すると、メールボックスとメール コンテンツを社内メッセージング システムから Exchange Online および Office 365 組織に移行できます。Exchange 2013、Exchange 2010、Exchange 2007、および Exchange 2003 からメールボックスとメールボックス データを移行したり、IMAP メッセージング システムからメールボックス データを移行したりできます。
目次
リモート移動移行
リモート移動移行を使用して、Exchange ハイブリッド展開で社内の Exchange メールボックスを Exchange Online に移行します。リモート移動移行を使用するには、Exchange ハイブリッド展開が必要です。ハイブリッド展開では、次の機能を利用できます。
- 社内組織でのユーザー アカウント管理。
- 社内組織と Exchange Online 組織の間のディレクトリ同期。
- 社内組織または Exchange Online 組織にあるメールボックスへのシングル サインオン。
- 社内組織と Exchange Online 組織の間の安全なメール ルーティング。
- 社内組織と Exchange Online 組織の間の空き時間情報と予定表の共有。
長い時間をかけて、社内電子メール組織を Exchange Online および Office 365 に完全に移動する予定であっても、切り替えの最中にこれらのハイブリッド展開機能を活用できます。
注: 1,000 を超える Exchange 2010 または Exchange 2013 のメールボックスを Exchange Online に移行するには、ハイブリッド展開を実装する必要があります。
ハイブリッド展開の詳細については、「Exchange Server 2013 のハイブリッド展開」を参照してください。リモート移動移行を使用してメールボックスを移動する手順については、「2013 ハイブリッド展開において社内組織と Exchange Online 組織間でメールボックスを移動する」を参照してください。
Exchange の段階移行
Exchange の段階移行では、社内 Exchange 組織内のメールボックスは複数のバッチで Exchange Online に移行されます。現在の社内電子メール組織と移行の目的が次の条件を満たしている場合は、Exchange の段階移行をお勧めします。
- 電子メール組織全体を Office 365 に完全に移動したい。
- 数週間または数か月かけて、メールボックスを Exchange Online に移行する予定である。
- 社内組織でユーザー アカウントを管理し、社内の Active Directory を Exchange Online に同期させる予定である。
- 現在の社内電子メール組織が Exchange 2003 または Exchange 2007 である。段階移行では、Exchange 2010 または Exchange 2013 のメールボックスの移行はサポートされません。
- 社内 Exchange 組織内のメールボックスが 2,000 を超えている。
段階移行プロセスのしくみの概要については、「Exchange の段階的移行」を参照してください。詳細な手順については、「段階的な移行を使用してメールボックスを Exchange Online に移行する」を参照してください。
Exchange の一括移行
Exchange の一括移行では、社内 Exchange 組織のすべてのメールボックスが単一の移行バッチで Exchange Online に移行されます。グローバルな電子メールの連絡先および配布グループも移行されます。現在の社内電子メール組織と移行の目的が次の条件を満たしている場合は、Exchange の一括移行をお勧めします。
- 電子メール組織全体を Office 365 に移動し、ユーザー アカウントを Office 365 で管理したい。
- メールボックスを数日間で Exchange Online に移行する予定である。
- 現在の社内電子メール組織のバージョンが Exchange 2003 以降である。
- 社内 Exchange 組織内のメールボックスが 2,000 未満である。
一括移行プロセスのしくみの概要については、「Exchange の一括移行」を参照してください。手順の詳細については、「すべてのメールボックスを一括移行で Exchange Online に移行する」を参照してください。
IMAP の移行
IMAP の移行では、IMAP メッセージング システム内のユーザーのメールボックスの内容が、ユーザーの Exchange Online メールボックスに移行されます。IMAP の移行を使用するための要件と考慮事項を次に示します。
- 電子メールの移行先となる Exchange Online メールボックスが既に存在している。これらのメールボックスは、IMAP の移行プロセスではプロビジョニングされません。
- ユーザーの受信トレイなどメール フォルダーのアイテムのみが移行される。連絡先、予定表アイテム、またはタスクは移行されません。
- 小規模および中規模の組織では、IMAP の移行を使用して、ホステッド サービス プロバイダーのメールボックスから電子メールを移行できます。
IMAP 移行プロセスの動作の概要については、「IMAP 移行」を参照してください。詳しい手順については、「電子メールを IMAP サーバーから Exchange Online メールボックスに移行する」を参照してください。
各種の移行の比較
どの移行方法が組織に適しているでしょうか。移行方法は、既存の電子メール組織、移行するメールボックスの数、ユーザー アカウントを社内 Exchange 組織または Office 365 のどちらで管理するかによって異なります。
次の表を使用して、組織に適した移行の種類を判断してください。
既存の組織 | 移行するメールボックスの数 | ユーザー アカウントを社内組織で管理するかどうか | 移行の種類 |
Exchange 2013、Exchange 2010、Exchange 2007、または Exchange 2003 | メールボックスが 2,000 未満 | なし | Exchange の一括移行 |
Exchange 2007 または Exchange 2003 | メールボックスが 2,000 未満 | なし | Exchange の段階移行 |
Exchange 2007 または Exchange 2003 | メールボックスが 2,000 を超える | あり | Exchange ハイブリッド展開における Exchange の段階移行またはリモート移動移行 |
Exchange 2013 または Exchange 2010 | メールボックスが 2,000 を超える | あり | Exchange ハイブリッド展開でのリモート移動移行 |
Exchange 2000 Server 以前のバージョン | 上限なし | あり | IMAP の移行 |
Exchange 以外の社内メッセージング システム | 上限なし | あり | IMAP の移行 |
Exchange Server 2013 展開アシスタント
Exchange Online へのメールボックスの移行の種類を決定するには、Exchange Server 2013 展開アシスタントの使用をお勧めします。この Web ベースのツールは、社内組織での Exchange 2013 の展開、社内組織と Office 365 組織の間での Exchange ハイブリッド展開の構成、または Office 365 への社内メールボックスの移行に利用できます。展開アシスタントからのいくつかの質問に回答すると、その回答に応じて、社内ハイブリッド展開で Exchange 2013 を展開および構成する手順や、メールボックスを Office 365 に移行する手順が示されます。
展開アシスタントを使用して移行の種類を選択するには、Exchange 2013 展開アシスタントの [クラウドのみ]をクリックし、現在の環境に関するいくつかの質問に回答します。展開アシスタントは、この回答に応じて、社内メールボックスを Exchange Online に移行するための最適なオプションを決定します。
既存の Exchange 展開または組織のニーズを [クラウドのみ] オプションで満たすことができない場合は、[ハイブリッド]をクリックし、現在の環境に関するいくつかの質問に回答します。展開アシスタントにより、ハイブリッド展開の手順のリストが生成されます。